Soil of Greenford

作品になる前の景色を、少しずつ。

HAGI

HAGI

 

幼い頃に見た花札の絵柄。

遊びよりも、描かれている絵や色が好きで、よく眺めていました。

どの絵柄も好きでしたが、萩のシンプルに描かれた姿に心惹かれ、ずっと記憶に残っていました。

 

萩は、奈良時代に山上憶良が『万葉集』で詠んだことから、秋の七草のひとつとして親しまれてきました。

春の七草が「七草がゆ」として食を楽しむのに対して、秋の七草は、野に咲く花を眺めて楽しむもの。

そんな、季節の草花を愛でる文化にも惹かれています。

 

昔の人が眺めた花を、今も私たちが眺めている。
そんな長い時間のつながりも、一緒に感じていただけたらと思います。

 

HAGI

 

変わっていくもの、その中で

アリィの冬と夏、そしてRelishの庭市場での出展を無事に終えました。

どちらも以前訪れたことのある場所でしたが、今回はそれぞれに、時間の流れを感じる出展となりました。

 

アリィの冬と夏への出展は、3年ぶり。

前回出展したほんまちビルは、老朽化のため解体工事が始まっていました。

 

3年という時間の中で、景色が変わり、そして自分自身も少しずつ変わってきたのだと思います。

 

作品を並べる場所や、見え方を考えながら準備する時間。
そんな小さな変化の積み重ねに、自分でも少し成長を感じました。

 

Relishさんも、老朽化による建て替えのため、10月には移転をされます。

今ある建物や庭で開催する、最後の庭市場でした。

 

いつまでも同じ景色が続くわけではない。

そう思うと、そこに立っている時間も、少し特別なものに感じられます。

 

変わっていく場所。
その中で、ものをつくり続けていること。

 

そんなことが、心に残る9月となりました。

 

Relishさんのお庭にて

 

秋のはじまりに

9月に入り、少しずつ秋の気配を感じるようになりました。

 

季節が移っていくこれからの時期、Greenfordもいくつかの場所へ出かけます。

 

【9月の出展】

○ 9/12(土)- 13(日)
アリィの冬と夏|静岡

○ 9/21(月・祝)- 22(火・祝)
Relishの庭市場|京都

【10月の出展】

○ 10/24(土)- 25(日)
海辺のカモメ市|広島

 

実際に手に取っていただくと、糸の細さやビーズの小さな表情など、写真だけでは伝わりにくいところにも気づいていただけることがあります。

 

直接作品を見ていただける時間も、大切にしていきたいと思っています。

 

お近くの方がいらっしゃいましたら、ぜひ遊びにいらしてください。

 

 

仕上げを待つ作品たち

 

 

doubleprojet.com

 

www.relish-style.com

 

www.kamome.fun

 

玉雪

玉雪

 

雪のあまり降らない場所で育ったので、幼いころから雪への憧れのようなものがありました。

外国の映画に出てくる、空から舞い落ちる雪の粒や、石造りの建物に降り積もった雪。

そんな景色を見て、かき氷のように食べられるのかしら、と思ったものです。

 

骨董市で少しいびつな形の淡水パールを見つけたとき、子どものころに憧れた雪景色を作品にしたいと思いました。

 

冬の始めや終わりに降る、丸い雪。

 

雪が少しずつ重なって、町を白く変えていく。

そんな風景を思い描いていただけたらと思います。

 

玉雪

greenford.stores.jp

白雨

白雨

 

「白雨」のデザインが生まれたのは、4年ほど前。

雨の季節に参加した展示のタイトル「白雨」に合わせて制作しました。

 

白雨とは、雲が薄く、明るい空から降る雨のこと。

 

暗く鬱々とした雨ではなく、雨がもたらす恵みや、雨上がりのさっぱりとした空気。

水分をたっぷりと含んだ木々の緑が、いつもより濃く感じられるような景色を思い描きながら、イメージを膨らませました。

 

そうして仕上がったのは、雨粒が葉や草を静かに伝う情景を映した作品。

 

ガラスビーズを一粒ずつ絹糸で編み、繋いでいます。

 

雨が降る前の香り。

雨の音。

水たまりに映る景色。

 

そんな雨の日のささやかな光景を、感じ取っていただければと思います。

 

白雨

greenford.stores.jp

KANOKO

KANOKO

 

以前、「KANOKO」についてご紹介したことがありました。

今回は、この作品が生まれた背景を、改めてお話ししたいと思います。

 

はじめに思い浮かんだのは、小さな花のモチーフを重ねたデザインでした。

タティングレースで編んだ小さなモチーフを重ね、淡水パールを添えて、花の間にやわらかな光が宿るような情景を表現しています。

 

仕上がった耳飾りに名前をつけようとしたとき、京鹿子という花を知りました。

 

淡く霞がかったように、小さな花が集まって咲くその姿が、重なり合うタティングレースのモチーフとどこか重なって見えたのです。

 

作品を作る前から心のどこかにあった景色が、ある日、花の名前とともに姿を見せてくれる。

そんな出会いも、ものづくりの楽しさのひとつなのだと感じています。

 

KANOKO_ベージュ

greenford.stores.jp

 

 

「見えていなかったもの」

気づけば長い間、この場所を更新できずにいました。

 

その間も、Greenfordは変わらずに糸を編み、アクセサリーを作っています。

 

 

 「Greenfordの作品には一つひとつ物語がある。糸で物語を編んでいるんだね。」

 

 

ある日友人がかけてくれた言葉は、自分では当たり前だったものに、そっと光をあてました。

 

私にとって、作品名をつけることも、自然や日々の景色からインスピレーションを受けることも、ごく当たり前の制作の一部でした。

 

 

作品には、風景だけではなく、そのときに感じた空気や余韻、心に浮かんだ情景があります。

 

これからは、そんな作品になる前の景色も、この場所で少しずつ綴っていけたらと思っています。